過去最高益を更新 シノケングループ

アパート・マンション販売など不動産関連事業の子会社を傘下に持つ株式会社シノケングループ(福岡市、東証JASDAQ上場、代表篠原英明氏)の業績が好調だ。2014年1-6月期の連結決算の経常利益は前年同期比56.1%増の26億1200万円で過去最高となった。通期でも過去最高益を見込んでいる。

ゼネコン買収が増収に寄与
同社の2014年1-6月期連結決算は、売上高が前年同期比40.7%増の202億5400万円となった。マンション販売が同14.3%増の82億3900万円、アパート販売が同7%増の47億6800万円と好調だったうえ、今年2月に買収した東京都の老舗ゼネコン、株式会社小川建設の売上高39億1800万円が加わったことが寄与した。経常利益はこうした増収効果から同56.1%増の26億1200万円と1-6月期としては過去最高になった。
また、同社グループは不動産管理会社のM&A(企業の合併買収)を積極化している。同社の連結子会社で投資用マンション管理の株式会社シノケンアメニティは、8月にファミリー向けマンション管理の株式会社アメニティサービス(東京都港区)、9月には有限会社マンションライフ(名古屋市中区)の全株式を取得して完全子会社化した。前者は杉並区を中心に約500戸、後者は名古屋市を中心に約800戸のマンション管理を受託している。シノケングループは9月末時点で賃貸管理戸数約1万5000戸、マンション管理戸数約2800戸に達しており、同社が目指すフロービジネスの強化に繋げる。また、シノケグループは現在、名古屋での投資用マンション販売も計画中で、「年間2棟程度の新築管理を任せたい」(篠原社長)としている。

シンガポールでも事業展開
同グループは海外展開にも注力している。9月には香港にある持株会社が、シンガポールの不動産会社「Shinoken & Hecks Pte Ltd」の株式34%を取得した。シンガポールの投資家からの問い合わせが増えていることから、同社を通じてシンガポールの投資家に日本不動産の紹介サービスを強化する。同時に、日本人へのシンガポールの不動産の紹介・賃貸サービスも検討している。「シンガポールの不動産価格はここにきて20~30%下がっているが、今後アジアのハブ(中心地)の地位は高まるはず」と篠原社長は見ている。
こうしたマンション管理や海外展開の強化に加えて、「今後も不動産周辺ビジネスの強化は続けていく」(篠原社長)。
2014年12月通期の連結決算は、売上高が前期比46.3%増の380億円、経常利益が同61.2%増の43億円と過去最高益を見込んでいる。

帝国ニュース 九州版2014年10月31日