建設会社買収でマンション建設を内製化 シノケングループ

アパート・マンション販売など不動産関連事業の子会社を傘下に持つ株式会社シノケングループ(福岡市、東証JASDAQ上場、代表篠原英明氏)は2月、建設会社、株式会社小川建設(新宿区)の株式を間接的に取得して完全子会社化、自社マンション建設を内製化して競争力の強化を図る。

内製化でコスト競争力の強化

シノケングループは小川建設を傘下に持つ資産管理会社の株式会社吉村商会(新宿区)の全株式を2月7日付で取得、その子会社である株式会社ヨシムラ・RE・ホールディングス、孫会社にあたる小川建設と小川建物の4社を完全子会社にした。ヨシムラ・RE・ホールディングスは東証ジャスダック上場の株式会社プロパストの株式15.41%を保有しているため、今回の株式取得により、シノケングループがプロパストの筆頭株主となった。また、同日付で吉村商会を株式会社SKG NEXTに、ヨシムラ・RE・ホールディングスを株式会社SKG INVESTに社名変更した。取得費用は吉村商会の株式取得価額及びアドバイザリー費用を含めて約26億円。
今回の買収について篠原社長は、「小川建設は創業明治42年の老舗ゼネコンであり、100年以上に亘って培われた技術と信頼が強み。当社グループの年間50~60億円の新築マンション工事の一部を内製化するコスト競争力の獲得ばかりではなく、アベノミクスを背景とした、新規受注も大幅に増加している。今後の連結業績への貢献に大いに期待したい。」と話す。

サ高住の入居率向上図る

同社は介護関連事業の強化にも注力している。昨年8月、板橋区のサービス付き高齢者向け賃貸住宅(サ高住)「寿らいふ ときわ台」を運営開始したのに続いて、板橋区高島平と福岡市東区香椎浜のサ高住を取得、ネット広告などの強化により入居率が向上している。また、昨年傘下に収めた少額短期保険会社、ジック少額短期保険株式会社を通じて、高齢者向け保険の新規開発など介護関連サービスの充実も検討している。
5月12日に発表した同社の14年12月期第1四半期(連結)の売上高は114億4100万円(前年同期比39.5%増)、営業利益17億2300万円(同62.4%増)、経常利益15億9600万円(同54.5%増)、純利益10億8200万円(同36.3%増)と、売上高と各利益ともに計画を上回り、過去最高益を更新した。マンション販売戸数が196戸(前年同期166戸)と過去最高になったのが主因だ。これに伴い、同第2四半期の純利益も前回予想の9億円から13億円に上方修正した。
篠原社長は「今後も入居者向けサービスを拡充して、不動産管理というストックビジネスの充実を図っていきたい」と話している。

帝国ニュース九州版 2014年6月2日号