九州の不動産各社が高齢者向け施設の運営に相次ぎ乗り出す。シノケングループは管理人が常駐しない低賃料アパートを運営。九州は高齢化の進展が全国平均を上回っている。団塊世代の大量退職などで需要拡大が見込まれる高齢者向け事業を育成し、新たな収益の柱に据える。
シノケンは福岡市で管理する物件の空室を利用。手すりなどを設けて高齢者向け住宅に改装し、5月に契約者が入居する。訪問介護のアップルケア(福岡市)と組み、必要に応じて施設にヘルパーを派遣。24時間体制で電話相談に応じるほか、食事を毎日宅配する。
管理人が常駐しないことで運営コストを削減。月額賃料(食費を含む)は7万円強と、一般的な高齢者向け施設の半額程度の水準に抑えた。福岡市の病院に入居者を紹介してもらう営業活動を始めており、「1年以内に100室の契約を目指す」(篠原英明社長)。
2010年の国勢調査によると、九州では65歳以上の人口の割合が福岡県を除く全県で全国平均を上回るなど高齢化が加速している。今後さらに高齢者向け施設の需要が拡大する見通しだ。
日本経済新聞 2013年4月12日付朝刊